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枕の選び方について

たくさんの種類がある枕ですが、あまりに選択肢が広いと、かえって選びにくくなってしまいます。そこで自分に合った枕が見つかるよう、選び方のポイントを最後に見ていきましょう。

寝付くときの姿勢に注目して選ぼう

理想の枕を見つけるために、まずは寝姿勢について確認していきましょう。

力まない寝姿勢にすることが大切

正しい寝姿勢の基本は、立っているときとおなじ姿勢の状態です。たとえば、寝たときに肩・頭と床の間にできる空間をふさぐ枕だと、よい姿勢をつくることができるでしょう。

なお床から頚椎までの高さは、性別や体格によって変わるため、自分に適した高さに調整する必要があります。たとえば高すぎる枕を使用すると、頚椎がまっすぐになり、ストレートネックやいびき、猫背の原因になってしまうでしょう。

一方で低すぎる枕だと、気道をふさいでしまう場合があり、呼吸が浅くなって寝つきが悪くなってしまう懸念があります。

日本人には左右が高く、中央が低めの枕が合いやすい

日本人が使用する枕は、左右が高めで中央が低めの形状だと、疲れにくい傾向があります。睡眠中はおよそ20～30回は寝返りを打つため、あらゆる寝姿勢に対応できる枕であれば、快眠できるでしょう。

しかし実際には、頭をのせる部分が高い形状の枕が多く、これだと多くの日本人の頭には適していません。むしろ、後頭部が丸い欧米人向きの枕といえるでしょう。

骨格や体系の変化に合わせて買い替えも検討すること

肩の筋肉量や頭の大きさなど、男女によってフィット感に大きな差があります。体が成長するのはもちろんのこと、太るか痩せるかで枕が合わなくなってしまう場合もあるでしょう。そのため現在の体型を基準に、そのときの自分に最適な枕を選ぶ必要があります。

たとえば肩まわりの筋肉が発達していたり、あるいは猫背の人などは、少し高めの枕が合っているでしょう。

2年以内の交換と月1回の定期的なお手入れを

枕は使うごとにへたれていくため、だんだんフィット感や高さが合わなくなっていきます。そうならないよう月1回のペースでお手入れをし、そして使いはじめてから1年半～2年で寿命が来るので、その都度交換するようにしましょう。これらは衛生上の観点からも、できるだけ行うようにしてください。

肩こりやいびきなど、自身の悩みに合っているか

睡眠に関する悩みといえば、肩こりやいびきなどが代表的です。枕選びで悩む方は、それらの問題に適した枕を選ぶことで解決できるでしょう。

いびき解消には首の部分が盛り上がった枕を

いびきは気道が狭くなることによって起きるケースもあるため、気道が確保しやすい形状の枕を選ぶことで、改善する場合もあります。たとえば頚椎部分が盛り上がっていて、ゆるやかなS字を描いた枕だと、気道が確保されやすくなるでしょう。

また、いびきは頚椎がまっすぐになるような、高すぎる枕を使用すると起こりがちなので、枕が高すぎていないか確認してみてください。

首や肩のコリに悩む方は正しい寝姿勢をサポートする枕を

寝姿勢が正しくないと、肩や首に負担がかかり、コリの原因になってしまいます。現在その悩みをもっている方は、正しい寝姿勢になる枕を選ぶといいでしょう。

起きたときのダルさがつらい場合は寝返りしやすい枕を

起きたときにダルさを感じる方は、寝返りが打てていないのかもしれません。じゅうぶんに寝返りが打てていれば、血行不良が予防され、体の一部に負担がかかりすぎるのを防ぐことができるでしょう。

寝返りを打ちやすくするには、ある程度の反発性と硬さのある枕がよいとされています。

自分に合った高さ・大きさ・硬さ

枕選びでは高さや大きさ、硬さなどのポイントをチェックしていくと、自分に最適な枕が判明しやすくなります。

首と後頭部の高さを調整できる

人によって最適な枕の高さは異なりますが、一貫していえるのは、立ったままの自然な姿勢を、横になってもキープできるような枕が理想的であるという点です。その姿勢をつくるには、頭と敷布団の隙間が埋まり、後頭部・首・肩がしっかりと支えられるような枕を選んでください。

また、仰向けと横向きで必要な高さが異なる点にも注意しましょう。仰向けの際は、後頭部と首の高さに合わせる必要があり、横向きだと肩幅も考慮して、さらに高さが必要になります。そのため両方の寝姿勢に対応できるよう、中央部が低く、両サイドが高めの形状になっている枕だと、どちらの向きでも自然な姿勢をキープできるでしょう。

寝返りを打つには横幅も必要

寝返りが不十分だと血流が悪くなり、しびれや痛みを引き起こすことがあります。しかし寝返りがスムーズになれば、このような問題がなくなり、質の高い睡眠を取りやすくなるでしょう。

枕は横幅があることで寝返りが打ちやすくなり、睡眠の質が高くなることが見込まれます。寝返りを打つには、ある程度の横幅が必要となるでしょう。横向きになっても頭が落ちず、肩先までカバーできるようなものだと、頭3つ分収まるサイズが理想的といえます。

自分好みの硬さの素材を選ぶ

素材は、自分がリラックスしやすい硬さで選ぶといいでしょう。

素材ごとに硬さの感触は異なっており、さらに素材の好みも人それぞれになります。男女別で見た傾向だと、男性は硬めで、女性はやわらかめの素材を選ぶのが一般的なようです。

また、頭には重さや汗のかきやすさもあるため、枕の素材は熱がこもりにくく、汗を吸収・発散してくれるものや、洗濯OKのもの、型崩れしないものを選ぶと快適な寝心地になるでしょう。

医療関係者のお墨付き・共同開発

枕の中には、整形外科医や理学医療士といった医療関係者が推奨・共同開発した商品も少なくありません。このような枕は医学的な根拠をもとに作られているため、眠りに関する悩みを専門性の高い方法によって、解決することができるでしょう。

枕はさまざまな商品が展開されているので、選ぶのが難しいと思われるかもしれませんが、ご自身の眠りの問題点や体型などを整理すると、最適な枕が選びやすくなりますので、ぜひ確認してみてください。

枕ってどんな種類があるの？

枕にはさまざまな形状や材質がありますが、どのような種類や違いがあるのでしょうか？
質の高い睡眠を得るためには、それぞれの枕の特徴を知り自分に合う枕を選ぶことが大切です。ここでは枕の種類について詳しく説明させていただきます。

枕の形状

枕というと、長方形の形状を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし枕にはもっと、さまざまなバリエーションがあります。

標準（長方形）

もっともベターな形状の長方形型の枕は、選択肢が幅広いというのが大きなメリットとなっています。そのため自分の好みや目的も考えながら、素材やデザイン、高さやサイズなどを選ぶことができるでしょう。

波（ウェーブ）型

側面から見ると波のような曲線を描き、段差を付けているウェーブ型の枕もあります。このタイプは、頭と首のカーブにフィットするよう、S字型になっているものをはじめ、低反発素材で作られた商品もたくさん出ています。

頚椎支持・横向き対応型

枕の中身が分かれていて、それぞれの部位の素材量を変えることで高さを調整できる枕です。裏表や上下を変えることで、使う人の体型や寝やすさに合わせられるものもあるでしょう。また商品によっては、横向き寝や寝返りなどが快適になるものなど、さまざまな工夫がほどこされています。

ハート型

上下逆のハート型のような枕で、首まわりのボリューム感を抑えることで、首への負担を軽減できるような設計になっています。そのため、肩や首のコリに悩む方にピッタリの形状といえるでしょう。なおハート型の多くは、低反発素材が使用されています。

抱き枕

抱き枕は一般的な枕とは異なっており、基本的に寝姿勢のサポートをするために使用します。1m程度の長さがあり、主に抱き着いたり足で挟むことで、快適な姿勢で寝ることができるでしょう。なお抱き枕は、横向きで寝ることが多い方や、妊婦の方におすすめされてます。

枕の素材

枕の素材にはさまざまな種類があり、硬さや感触など、好みに合わせてチョイスすることができるでしょう。

ダウン（羽毛）

水鳥の羽の枕は、冬は暖かく・夏は涼しく感じられる素材です。天然素材特有の通気性や吸湿性、発散性があるため、ふわふわとしたソフトな感触も特徴的でしょう。

パイプ

短いストローのような形状の素材で、やわらかさやサイズなど、豊富なバリエーションになっています。通気性にすぐれているので、家庭でも洗濯でき、清潔に保つことができるでしょう。また変形しにくく、長持ちします。

低反発ウレタン

宇宙飛行士向けに開発された新素材で、モチモチとした弾力性があります。体圧分散性や柔軟性にすぐれており、体型や寝姿勢にフィットしやすいのが大きなメリットといえるでしょう。

スノー低反発

ウレタンをスノーフレーク状に細かくした素材で、強い復元性があります。ウレタン素材特有のモチモチ感と、ダウンのようなふわふわとしたフィット感が特徴的で、さらに低反発ウレタンよりも通気性にすぐれているというメリットもあります。

高反発ウレタン（ラテックス）

ラテックスは通気性がよく、気温による変化が起きにくい素材です。弾力性とやわらかさを兼ね備えているので、スムーズに寝返りを打つことができるでしょう。

上記は一部になりますが、枕にはさまざまな形状や素材と、それぞれの特徴があることがわかりました。ご自身が睡眠にどんな問題を抱えているか、どんなことを枕に求めているかがわかっていれば、最適な枕を上記のような特徴を参考に選ぶことができるでしょう。